俺様とネコ女

マスターが作ってくれた、とびきりおいしいロックでのどを潤す。

コウが選んだその焼酎は、フルーティで、がぶがぶ飲めそうなくらい飲みやすい。

満足そうに顔をほころばせる私を、まぶしそうに目を細め見つめるコウ。


「言って満足してんじゃねえよ」

「え、でも」

「でもじゃねえ。俺がわからないと思ってるだろ」

「まさか、わかるの?」

「俺をなめるなよ。フラで返してやるよ。

Je t'aimerai toute ma vie.Tous les deux.」

衝動的にコウに抱きつく。TPOが頭からすっとんだ。


人の目なんて忘れて、コウの頬を両手で挟んでキスをした。
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