俺様とネコ女
翌朝、近年稀に見る目覚めの良さだった。ここを抱いたことに、後悔はなかった。

肌に触れるシーツの感触で、自分が裸だということに気付いた。そのまま裸で寝てしまったなど信じられないが。


隣で気持ちよさそうに寝息を立てるここを眺め、昨夜のことを思い出す。その記憶はあまりに鮮明で、まだリアルに感覚が残っていた。

昨夜、今までの経験を遥かに超える、身体中に電気が走ったような快感の中、整わない息のまま、キスを繰り返した。

次第にとろんと目が閉じてきたここ。名残惜しくも唇を離すとすぐに俺の懐に潜ってきた。

眠ってしまったここの頭を無意識に抱きよせ、腕枕をしたのも、初めてのことだった。

ここの全てが俺を夢中にさせた。やっぱりここが欲しい。

俺のものにしたい。


ここの寝顔は、居酒屋で友人が”淡いピンク”と表現した、まさにその通りだ。でも口を開くとギャップが凄い。初対面でも親しみやすい雰囲気。嫌味のない馴れ馴れしさ。

馴れ馴れしい女は嫌いだが、ここは、嫌いじゃない。
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