俺様とネコ女
コウは少し腰を浮かし、ジーンズのポケットから黒いスマホを取り出した。

よかった!少なくとも、次がある可能性が出てきた。

嬉しくて堪らない。ソファーから飛び上がって、コウの顔中にキスしたい。でもそれやっちゃうと、スマホがポケットに逆戻りしそうだから我慢した。

喜びを隠せないままバッグからスマホを取り出す私に、コウは馬鹿にしたように笑った。


「お前M?」

「何で?Mじゃないよ。Sだよ私。コウと同じ匂いするでしょ?」


無反応でスマホを触るコウ。何とか言ってよ。


「ねえ。スマホ一緒だね。ほんと趣味合うね」

「機種変しろ」

「え。ひど。ねえ名前ってコウだけなの?コウイチとか、コウジじゃなくて?」

それには答えず、スマホの画面に自分のQRコードを表示させた。
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