俺様とネコ女
「お前免許持ってるのか?」

「もちろん。ペーパー暦4年」

「偉そうに言うな」


笑いながら会話を交わし、マンション近くの駐車場まで歩いていった。コウがキーを押すと、1台の車がそれに反応した。

ピピっとアンサーバックした車は、外車の黒いワゴンだった。コウらしさ全開のそれに、自然と笑みになる。

部屋も広かったし、セキュリティーもしっかりしたいいマンションだった。高級な車に乗ってるし、きっと高給取りなんだ。営業の仕事だって言ってたけど、仕事、出来るんだ。

この人は、一体どこまでかっこいいんだ。


「お前後ろ乗れ」

「酷くない?」

「文句言うな」

言葉とは裏腹に、助手席のドアを開けてくれる。


「どS」

「歩いて帰れ」

「もう乗ってまーす」

わざとらしく足を組み、革のシートに深々と腰を下ろした。
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