俺様とネコ女
”いるのか?”

”当たり前!”

”金曜まで待て”

”えー遅い!目、見えないじゃん”


まるで会話をしているかのようなレスポンス。ここで一旦返信を止めた。

大して待たずに、俺の希望通りのメールが来た。


”ごめんなさい待ちます”

"金曜日仕事終わりに返してやる。俺の仕事が終わるまでS駅周辺で待っとけ"

こうして俺は、次の約束を取り付けたのだった。



エレベーターに乗り込んだ。と、扉が閉まる寸前に伸びてきた手で、扉が再び開いた。

舌打ちしたいのを我慢して、やんわり微笑を浮かべてその手の主を見た。が、結局舌打ちだ。


「お前かよ」

「舌打ちするなよ。朝から感じ悪いな」

今一番会いたくないヤツ。直哉だった。


直哉の所属部署である企画課は3階だ。3階のボタンを押した後、聞かれたくなかったことを聞いてきた。


だからお前には会いたくなかったんだ。
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