俺様とネコ女
生ビールがやっと来て、もう次の1杯をオーダーする。

何杯目かわからないそれを、コウに負けず劣らずのいい飲みっぷりでグビグビと飲む。苦味と炭酸が喉を通り過ぎる。これがたまらない。


「飲むねー」

「めちゃくちゃ強いですよ。こころが酔ったの見たことないです」

若干引き気味の直哉さんに、美咲が笑いながら答える。そうなんだ。と笑い合う2人。

「俺酒弱いけど、コウ強いからこころちゃんに付き合えるよ?」

「は?」


久しぶりのコウの声。しかも一文字。どんだけ無口なの。

「ごめんね、こいつ無愛想なんだよ。会社では違うんだけどね。ちなみに俺ら、今彼女いないからね」

「え!そうなんですか?」


声のトーン上がった美咲。逆に”彼女”という言葉から失恋を思い出す。私はしばらく男はいいや。新社会人だし、バリキャリ目指してやる!
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