俺様とネコ女
仕事をしているとあっという間にお昼になった。仕事、と呼ぶには程遠い軽作業しかしていないけれど。

「来客時のお茶の入れ方も、あんなにこだわりがあるなんて知りませんでした」

「上野ちゃん、慣れたらどんどん適当になっちゃうわよ」


そう言って、うふふと笑う加藤課長。昨日のうちに”上野ちゃん”が定着してしまったらしい。

課長のうふふ笑いに感化されて、うふふとやんわり口角を上げながら社員食堂へ入った。

大きな窓ガラスからたっぷりと日光が差し込んでくるそこは、社員で溢れかえっていた。


そこで私は、ちょっとした再確認ができた。

秘書課だけが、ライトグレーのスーツを制服として支給されている。他の女性社員はスーツの人や、オフィスカジュアルなど、様々だということ。

私と課長を見ながら、こそこそと噂話をされてるのは、勘違いじゃないと思う。男性も女性も、こっちを好奇の目で見ている。

何を噂してるのか知らないけど、課長を真似てわずかに微笑みを浮かべる。
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