俺様とネコ女
今うちにあるって言ったよね。これから家に行っていいの?

トクン、トクンと、胸の鼓動は速く強くなり、自然と歩みもスピードが上がる。

コンビニの外に立っていたコウは、ただ立ってるだけでかっこよくて。やっと2人きりになれたことがめちゃくちゃ嬉しくて、抱きつきたいくらい。


「遅い」

「放置して先帰ったくせに」

「帰るぞ」


私の腕を掴んで歩き出すコウ。掴まれた腕が熱い。帰るって、コウの家にだよね。どうしようもなく嬉しくて頬が緩む。

嬉しくてつい饒舌になるけど、喜んでいると気付かれたくない。


「同じ大学だったんだね。しかも村上教授」

「共通点多すぎだろ。でもお前、だからJ駅なんだな。大学近くの」

「うん。ここ遠くて通勤辛いよ。引っ越したいけどお金ないから」

「あっそ」


ムカつきついでに、スキンシップを兼ねてわき腹にパンチをしたらかわされ、盛大な舌打ちをいただいた。
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