俺様とネコ女

5.こころside

コウが誘ってくれなくても、家に押しかけてやろうと思ってた。そんなことコウに言ったら、どんな反応するだろう。

この前のハブラシあるかな。途中立ち寄ったコンビニで優しかった。いつも自然にお金出してくれて、私に出させてくれない。

でも腕を組んだら触るなって拒否られて。まぁだからといって離す気は毛頭ない。

ほんと、わからない。コウの瞳は何も語らず、表情からも何も読み取ることができない。

ただ。

家に誘ってくれたから嫌われてはいない。

一方的に腕を組んだまま、コウの部屋へと進んでいく。コツンコツンと鳴るコウの靴音。カツカツは私で、静まり返った廊下に響く。


「お邪魔しまーす。今更なんだけど、先週はいろいろありがとう。迷惑だったよね。酔っ払い泊めて」

「当たり前だろ」

「更にもう1つ今更なんだけど。会社でコウ見たとき本当に焦った。ビックリしたよ」

「・・・ああ」

「運命の再会だよね」

はい無視。
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