天国に続く道。
信頼
「わあああ‼︎美味しそう‼︎」
隣ではしゃぐ華菜を見てため息をつく
「ほんっと、能天気なんだから」
「相変わらず、菜美は料理上手いね」
私の家は親が家にほとんどいない
というより帰ってこない。
2人で旅行なんていう、華菜の両親と
違い、私の両親は2人とも浮気してる。
だから、お互いが顔を合わせても
他人のようによそよそしい。
だから、たまに華菜の両親が羨ましく
なったりもする。
「ねぇ、そういえばさ。
宗田先生は大丈夫だったの?」
華菜は食べる手を止めてこちらを
見ていた。
「そういえば...」
あの出来事を思い出す。
確かに宗田の時は、震えや恐怖感なんて
感じなかったし、むしろ落ち着いていた
「いがいにさ、宗田先生は大丈夫だったり..げほげほっ」
「あー、もう口にもの入れて話すから」
華菜は水を取りに行った。
(宗田の時はなんで大丈夫だったんだろ)
でも、もしかしたら宗田なら
あいつも教師だけど
他の奴らとは違う気がするんだ。
まだ宗田の事は全く分かんないけど
「もしかしたら」と思う気持ちが
心のどこかに出てきていた。