Crown 【更新再開】
帰りは見事に誰にも会わなかった
まぁこれが普通なんだよな
学校から歩いて20分
自分が住んでいるマンションの最上階までエレベーターで上がる
別に最上階じゃなくても良かったんだけど…
流石にあの人には逆らえないからな
フロアにはドアは一つだけ。つまり俺の部屋だけだ
カギを開け、中に入るとコイツのお出迎え
「ただいま、ルナ…」
“にゃぁ”
腕の中の真っ黒で綺麗な毛並みの猫に癒される
ルナを抱いたまま俺はリビングに向かった
「ルナ…ミルクだぞ」
冷蔵庫から取り出し、容器に入れた
するとルナは俺の所に真っ先にきて、ミルクを飲み始める
その間に俺は自室へ行く
とりあえず制服を脱いだ
そして今の自分には必要なサラシを巻き直す
そういや、女の子に戻りたいなんて思ったことってあったっけ…
そんなことを思ったが、考えても無駄なことだと結論付け、俺は黒のパーカーを着た
時間は18:10そろそろ行かないとアイツらうるさいからな…
「行ってくるな…」
“にゃー”
俺はルナを撫で再び外に出た