Crown 【更新再開】
俺から離れたケイは苦しそうな顔をして小さく口を開ける
「紫乃さんがいなくなってから、俺もあそこを出てったんです。でも俺、まだガキだったからなにも出来なくて…」
「その時凌雅さんに声をかけられてそれでここに入りました」
その事実に俺はどうすることも出来なかった
俺の勝手で周りが苦しんでたなんて
「うわっ!!紫乃さん!手が、」
ふと、自分の手を見るとそこは赤に染まっている
ケイに言われるまで痛みなんて感じなかったな…
「はやく手当てしないと…」
焦るケイの姿をただ眺める
ケイが救急箱を取りに行きしばらくすると、この部屋の扉が開いた
「たっだいまーあれ?フジ起きてたー……っおい!?」
けれど入ってきたのはアイツではなく、俺をここに連れてきた張本人