Crown 【更新再開】
江口さんと出来るだけ話さないように、アメを口のなかで転がしていると、部屋の外が賑やかになった
……何だ?
「そろそろ来たかなー」
よいしょと言いながら立ち上がり扉の方へ歩く江口さん
「おかえりー凌雅、陽祐」
江口さんがドアを開けると中に入ってきたのは、俺がずっと待ってた人
「紫乃!もう大丈夫なの?」
「ん、もう平気」
大丈夫と告げるとヨウは安心したのか大きく息を吐いた
けれど俺の手のケガに気付きすぐに表情を変える
「ヨウ……本当に平気だから」
まだ納得してない顔のヨウは口をきつく閉じ近くの椅子に座る
「んで…………凌雅さん、俺に何の話があるんですか?」
ここまで連れてきて何も無いとか言うなら、俺は即帰るぞ
……………ってあれ?返事がない
「ほーら、凌雅フジが聞いてんじゃん」
「ああ…」
さっきから凌雅さんの視線が俺の手にバシバシきてる
別に気にしなくていいのに
「藤咲…お前、Crownって知ってるか?」