秘めた恋
出逢い

プロローグ



「じゃぁ、私たちは終わりね」

誰もいない静まりかえった教室で
私は、背の高い彼を睨みながら試すように応えた。

強がってはいても若干声は上擦っていた。

彼は、何も応えない。
ただ私を見つめるだけで否定することも肯定することもなかった。

私は、耐え切れずその場を後にした。

誰もいない渡り廊下を早足で通り過ぎた。
涙を流しても嗚咽交じりに泣いても彼は追いかけてこなかった。


『ねぇ、私たちは終わりなの・・・・?』

『これで、本当に終わりなの・・・?』

返答のない質問を頭の中で繰り返しながらこの日、
私たちは終わりを迎えた。


『私は、終りたくない。ずっとこのまま大樹君と一緒にいたいよ。』

そんな秘めた思いを胸に・・・

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