秘めた恋
賢斗は説明が終わると満足そうな顔で私を一瞥した。

「確かに俺に報告した時となんら変わりない。だが、今回の件で異義を唱えた者がいる。」
そう副社長が言うと「はい」と返事をして私の隣に座る古橋くんが席を立った。

「彼が副社長に報告したあの日、確かに俺は見ました。
俺の隣に座っている高梨さんが杉並PLに『デザイン画が出来た』と
報告したところを。」

そう言うと彼は席に戻った。

私はびっくりして古橋くんの方を向いた。

彼は私の視線を感じこちらを一瞥すると俄かに口角を上げた。

「と、いうことなんだが高梨さんそうですか?」と副社長が質問してきた。

「え、あの、えっと」私は、どうしていいか分からず言葉が一瞬出なかった。
動揺しながらも賢斗の方を見ると彼は眉間に皺を寄せ、切ないような睨んでいるかのような
表情で私を見ていた。

私は腹をくくると「はい、そうです。」と応えた。

賢斗の表情が険しくなった。

私はひと呼吸置くと「はい、『hua』は私が考案したものです。」と言い直した。

副社長の隣に立っていた森さんが一瞬驚いた表情をして口を押さえたのが目に入った。

「本来の『hua』の意味をこの場で発表してくれ。」
そう副社長に促され、私は自分が考えたhuaの意味を説明し始めた。
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