秘めた恋
「中国土産で社員からジャスミン茶を頂きました。その際にジャスミンは『hua』と
中国語で言うのだと知りました。そのhuaという発音が可愛くてすぐ空気に溶け込んで消えてしまうような
儚い音に聞こえ、まずブランド名をhuaに即決しました。また、ジャスミンの花言葉には「愛嬌」「清純」「無邪気」という幼さ若さを感じる意味がありますが他にも「優美」「気立てのよさ」「官能的」という大人の色気、落ち着きさもあって、それらが合わさりアラサーアラフォー女子にぴったりと考え、デザイン画もそれに合わせた色合いにしました。」
世に出ることがないと思っていた自分の考えを伝えた。
「杉並PLの場合は『花』で、高梨さんの場合は『ジャスミン』ですか。」
そう副社長がつぶやくと「俺は森さんみたいな子にとって難しいトリアーデよりも
ジャスミンの花言葉をモチーフにした万年筆の方が女性ウケが良さそうだと思うね。」と
付け加えるように言った。
一瞬、森さんを馬鹿にしたような言い方だったか森さんは相変わらずきょとんとしていた。
「ありがとうございます。」私は俯いたままお礼を言った。
「なんで、自分が考案したと言わなかった?」
そう副社長に質問されたが私は応えられなかった。
顔を上げ、賢斗を見た。
彼が私を睨んでいるのに私は彼を同情の眼差しで見返した。
彼のことは好きだけど
彼に対する私の想いがどんどん離れていくのが自分でもわかる。
私は賢斗よりも先程から私の隣に座っている古橋くんのことが気になり、
ドキドキしているのが自分でも分かり自分自身に憎悪が芽生えた。
賢斗のことは好きだけど・・・
こんな有様だから申し訳ない気持ちでいっぱいだった。だから、賢斗のことを許してしまった。
「デザイン画は俺が・・・」
賢斗が言おうとした時、「もう、誰が考えたかはどうでもいいよ。
どうせ高梨さんの考えた方に副社長が納得したんだ。」と古橋くんが遮った。
「今度は『経理処理改ざん』の件だ。」と不敵な笑みを浮かべて副社長が言った。
中国語で言うのだと知りました。そのhuaという発音が可愛くてすぐ空気に溶け込んで消えてしまうような
儚い音に聞こえ、まずブランド名をhuaに即決しました。また、ジャスミンの花言葉には「愛嬌」「清純」「無邪気」という幼さ若さを感じる意味がありますが他にも「優美」「気立てのよさ」「官能的」という大人の色気、落ち着きさもあって、それらが合わさりアラサーアラフォー女子にぴったりと考え、デザイン画もそれに合わせた色合いにしました。」
世に出ることがないと思っていた自分の考えを伝えた。
「杉並PLの場合は『花』で、高梨さんの場合は『ジャスミン』ですか。」
そう副社長がつぶやくと「俺は森さんみたいな子にとって難しいトリアーデよりも
ジャスミンの花言葉をモチーフにした万年筆の方が女性ウケが良さそうだと思うね。」と
付け加えるように言った。
一瞬、森さんを馬鹿にしたような言い方だったか森さんは相変わらずきょとんとしていた。
「ありがとうございます。」私は俯いたままお礼を言った。
「なんで、自分が考案したと言わなかった?」
そう副社長に質問されたが私は応えられなかった。
顔を上げ、賢斗を見た。
彼が私を睨んでいるのに私は彼を同情の眼差しで見返した。
彼のことは好きだけど
彼に対する私の想いがどんどん離れていくのが自分でもわかる。
私は賢斗よりも先程から私の隣に座っている古橋くんのことが気になり、
ドキドキしているのが自分でも分かり自分自身に憎悪が芽生えた。
賢斗のことは好きだけど・・・
こんな有様だから申し訳ない気持ちでいっぱいだった。だから、賢斗のことを許してしまった。
「デザイン画は俺が・・・」
賢斗が言おうとした時、「もう、誰が考えたかはどうでもいいよ。
どうせ高梨さんの考えた方に副社長が納得したんだ。」と古橋くんが遮った。
「今度は『経理処理改ざん』の件だ。」と不敵な笑みを浮かべて副社長が言った。