秘めた恋
店を出ると彼はどこかに電話をし始めた。

どうやら、ここまで迎えを頼んでいるようだった。
いいご身分だ。

「やったー!ベンツで帰れる~!」と水沢さんが大喜びなのを尻目に
私が駅の方まで歩こうとしたら「先輩も送って行きますよ。」と
後ろから声をかけられた。

私は、振り返り「結構よ。電車で帰るから。」と言って
その場に二人を残し、駅まで歩いて行った。

あーなんか調子狂う。とか思いながら
彼のことを頭の中で反芻してみた。

東郷くんって、ただのチャラい男かと思ったけど
愛想が良くて可愛くて年上にも礼儀正しくて・・・
普通に良い子かも、と思った。

ま、可愛い後輩ってとこかな!と自己解決し、
私は満員電車に乗り、家路についた。
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