秘めた恋
「いや~マジ嬉しいっす!!」
と言ってガッツポーズをされて喜ばれると
こっちもなぜか嬉しくなる。

「じゃぁ、〇〇駅前に18時でどうっすか?」

「うん、良いよ。」

「よっしゃー!!」

ドクン。

なんだろう、一瞬ときめいた。

「じゃぁ、また!」そう言うと彼は嬉しそうに
テニスコートに戻っていった。

「若いって良いなぁ」となぜか他人事のように
もとのクールな自分に戻ってしまった。

でも、運動もしてないのに鼓動が早まってる気がして
私は両手で自分の胸を押さえた。

「はぁ、馬鹿ね。彼が焼肉食べたいらしいからそれについて行くだけよ。」

そうやって自分に言い聞かせ、
私は彼に少しずつ興味を抱いているという気持ちに気づかないふりをしていた。
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