秘めた恋
「え!?なんでお前が!?」

私よりも彼の方が大分驚いていた。

「実は、入口方面で女子会してたんだけど二人が入ってくるのが見えて
もしかして、和馬くん?と思って来ちゃったの。お邪魔だったかな?」

水沢さんは彼に聞いているようだったけど
「別に大丈夫よ。」と私が応えると彼女は喜んで
彼の隣に座った。

そして交互に私たちを見ると
「え~お二人仲良いんですか~?」とからかうように聞いてきた。

彼が「え、あ、まぁ。」と応えるのを被せるように
「ううん、そんなことないよ。二人の方が仲良さそうじゃん!」と私ははっきり否定した。

彼は少し複雑そうな顔をしながら黙り込むと隣の彼女は
「え~そう見えます?まぁ、確かに仲良いですよ~。」ときゃぴきゃぴしながら
嬉しそうに応えた。

「ねねね、それ何食べてるの?」

水沢さんは、東郷くんの皿にあった肉を指さしながら彼に聞いた。

「あぁ、レバーだけど。」

「えーレバーまずくない?」

「いや、別に。」

私の時と違い少しそっけない態度に変わったと思ったけど

「えーじゃぁ、食べてみたい!ちょうだい!」って彼女がおねだりすると

「は?なんでだよ!後で食えよ」と少し感情的にもなって

やっぱ同じ年同士だし、仲良いんだなと思った。
< 132 / 175 >

この作品をシェア

pagetop