秘めた恋

憧れの人

あー昨日は災難だった。

私はあのまま一睡もしないで漫画を読み続け
始発時間に近づくと私は彼にひとこと声をかけた。

「じゃぁ、私もう行くね。」

お疲れのようだったから寝続けてもらって良かったのに
「俺も行きます。」なんて言うから仕方なく彼の支度を待った。
彼は眠気まなこで起き上がり、そして私を駅まで送ってくれた。

彼の方は、ぽあんとしながら「それでは美雪先輩、
お疲れ様っす。」と言ってあくびをした。

それにはもう苦笑いするしかなかった。

誰のせいで寝られなかったか。

今日の午前中、仮眠を取ると私は都内まで出て買い物をしに来た。

欲しかったヒールの靴を買った後、休憩するため
近くにあったカフェに入った。

案内された席に着くと隣の席に見たことのある男性が
座っているのに気づいた。

向こうも気づいて「おぉ、久しぶりだな。」と声をかけてきた。

「星野先輩!!」

私は隣の席に座ると「今日はどうしたんですか?」と声をかけた。

星野先輩は私の二つ上のサークルの先輩で今年社会人になった
私の憧れの人だった。

「いや~仕事でトラブルが起きて対応に追われてたんだよ。
だから今日も出勤。」

と困った表情をして頭を掻いた。
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