秘めた恋
「目を閉じて。」

そう彼に言うと彼は一瞬訝しげに私を見たが
私が真剣な表情で彼を見ていたので彼は
「はい。」と言って素直に目を閉じた。

私は、片手で彼の口を塞ぐと自分の手の甲に
キスをした。
違和感に気づき彼が目を開けた。
私は軽く自分の手の甲にキスをすると
舌を使って舐め始めた。

薄目にして彼を挑発するように
色っぽく自分の手の甲を舐めまくった。

私は、彼の口を塞いでいた手を外すと
そのまま自分のくちびるを拭き、「これで限界だから。」と言って
私は立ち上がった。

すると東郷くんは私の手首を掴み「なんすか、今のふざけたキスは!?」と
言ってきた。

「だから、直は無理だって。私、もう行くから。」

そう言うと彼は立ち上がって私の顔を彼が両手で包み込むと
「これからが本当の大人のキスです。」と言い、彼の唇が私の唇に覆いかぶさって
激しくキスをしてきた。

「い、やめ、ちょっ・・・」
逃げられない。繰り返し彼の唇が私の唇にかぶさって
ディープキスをしてくる。私は力が抜けてそのまま彼の胸に凭れかかった。

「はぁ、はぁ、はぁ・・・。」

彼は私を抱き止め、「美雪先輩・・・」と言って私をきつく抱きしめた。

「ちょ、っと離して・・・。」抵抗をするが彼が抱擁の力を強め、
「好きなんです。美雪先輩のことが」と言ってきた。

「え・・・・」

彼は抱擁の力を緩め、私から離れると「すいません、突然こんなことして。
ただ抑えきれなくて・・・。」と言った。

私は、震える手で彼の頬を平手打ちすると涙を流した目で彼を睨んだ。

「美雪先輩・・・・。」

「自分勝手なことしないで!!」そう言うと私はその場から逃げるように
男子更衣室を後にした。


体が熱い。心臓の鼓動が高まって呼吸も荒くなって息が詰まりそうよ。

急にこんなことされたら私・・・・。

呪縛が更に強まって私の心も体もだんだんいうことが効かなくなってきている。

でもこれは自分の意思とは関係ないのか、混乱して分からなくなってきている。


お願い、助けて・・・・
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