秘めた恋
部室の前に立ち止まると、早鐘を打つ鼓動を抑えるように
私は胸を押さえ、深呼吸した。
ノックをして恐る恐る扉を開けるとシャワーを浴びた後なのか、
タオルドライをしている上半身裸の東郷くんが目に入った。
彼だけしかいないことを確認すると私は部室の中に入った。
彼は後ろ向きで頭を乾かしてるため私の存在に気づかない。
今だったら黙って万年筆を置いても気づかれない。
そうしようかと思ったその時。
「わぁ!」とこちらを振り向いた東郷くんが驚いた表情で
私を見た。
「美雪先輩!いつの間にいたんすか!?マジ心臓止まるかと思いましたよ!」
「ご、ごめん。」
私は詫びたあと、俯き加減のまま万年筆を差し出した。
「こ、これ。返すために来たの。名前彫ってるから大切な物だと思って
早く返さなきゃと思って。」
そう、動揺しながら言うと
「あ、ありがとうございます。先輩の言う通り、大切な物なんで
見つかって良かったです。肌身離さず持ち歩いてたんですけどいつの間にか無くなってて。」
「コートのベンチの下に落ちてた。」
「あぁ、マジっすか。見つけてくれてマジ嬉しいっす。」
そう感謝を述べると彼は私から万年筆を取ろうとして微かに私の手に触れた。
一瞬触れただけなのに嬉しいと感じてしまった自分が自分じゃないみたいだった。
「あ、じゃぁ、私帰るから。」
そう言って後ろを向いた瞬間、彼が私の手をつかんだ。
私は胸を押さえ、深呼吸した。
ノックをして恐る恐る扉を開けるとシャワーを浴びた後なのか、
タオルドライをしている上半身裸の東郷くんが目に入った。
彼だけしかいないことを確認すると私は部室の中に入った。
彼は後ろ向きで頭を乾かしてるため私の存在に気づかない。
今だったら黙って万年筆を置いても気づかれない。
そうしようかと思ったその時。
「わぁ!」とこちらを振り向いた東郷くんが驚いた表情で
私を見た。
「美雪先輩!いつの間にいたんすか!?マジ心臓止まるかと思いましたよ!」
「ご、ごめん。」
私は詫びたあと、俯き加減のまま万年筆を差し出した。
「こ、これ。返すために来たの。名前彫ってるから大切な物だと思って
早く返さなきゃと思って。」
そう、動揺しながら言うと
「あ、ありがとうございます。先輩の言う通り、大切な物なんで
見つかって良かったです。肌身離さず持ち歩いてたんですけどいつの間にか無くなってて。」
「コートのベンチの下に落ちてた。」
「あぁ、マジっすか。見つけてくれてマジ嬉しいっす。」
そう感謝を述べると彼は私から万年筆を取ろうとして微かに私の手に触れた。
一瞬触れただけなのに嬉しいと感じてしまった自分が自分じゃないみたいだった。
「あ、じゃぁ、私帰るから。」
そう言って後ろを向いた瞬間、彼が私の手をつかんだ。