秘めた恋
バーベキューを終えるとみんなは温泉に向かった。

私は生理中だったため温泉を諦めると部屋にある風呂場で
体を洗った。

洗面所から出ると部屋に水沢花音が平然とソファに座って
テレビを見ていたため思わず驚いて「ひゃっ」と声を上げた。

「どうして水沢さんがここに・・・。」と聞くと
「美雪先輩に話があるので理沙先輩に言って部屋に入れてもらいました」
と彼女が淡々と応えた。

「何、話って・・・。」

彼女はため息をつくと「単刀直入に言います。私と和馬くんは付き合ってるんです。」と
言った。

「は!??」

驚いてそう反応すると彼女は真剣な顔で私に近づき、「私だけじゃありません。
彼は他の女性とも付き合ってます。」と言われ更に私は驚いた。

「何を言ってるの、さっきから。」

「美雪先輩はご存知ないかもしれませんが1年生の間では彼はプレイボーイで有名なんです。
だから大勢の女性とも付き合ってるのは当たり前なんです。」

「え、あの、ちょっと。」

「美雪さんは知らないと思ったので一応伝えようと思ってここに来ました。
私は彼がモテるから浮気してもしょうがないと諦めてるし、許してるので付き合ってるのです。
美雪先輩は平気なんですか?」

「な、なにを言ってるの・・・?」

彼女は私に詰め寄るとこうも言った。
「彼のお父さんは元気です。」

「え?」

「お父さんが病気なんて嘘ですよ。彼は美雪さんと海に行った日、私が彼に怒ったメールをしたから
彼が焦って慌てて帰ってきたんです。私をなだめるために。」

「うそよ、そんなの。」

「嘘じゃありません。彼は美雪先輩一人だけのものじゃないんです。和馬くんはみんなのものです。」

「ちょっと、冗談・・・。」

「彼がなんで女子に優しいか知ってますか?女子に好かれたいから、モテたいから優しいんですよ。
現に今日、指を切った女性に・・・」

「やめて!!!!!」

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