秘めた恋
ここ最近、穴場を見つけた。
大抵の女性社員はグループを作り、食堂や近くにあるレストランと
いった場所でお昼を取るそうなのだが、私はその輪には加わらず
鬱蒼と生い茂る大木の下にあるベンチに腰掛けてお昼を取った。
通勤中、コンビニで買ってきたパンを食べ終わると
野菜ジュースを飲みながら小説を開いた。
恋愛小説に出てくるイケメン上司との恋に憧れながら
私も古橋さんとそんな恋がしてみたいなぁと妄想に耽る。
本を読みながらにやついていると
「そんなに面白いの?その本。」
といきなり右側から声が聞こえた。
「え!?」
思わずびっくりして右側を見る。
甘い妄想から、急に現実に引き戻され、鳥のさえずり、
かすかに遠くから聞こえる話し声が耳に蘇ってきた。
私の右隣にはいつの間にか知らない男性が座っていた。
これまた高そうなスーツを身に纏い、営業から戻ってきたのか
ネクタイを緩めて暑そうにしている。
「よくもまー、すごいなその集中力。
俺がじっと見つめてるのに全然気づかないし。
そんなに面白いのか?」
別に活字を読んでいたのではなく妄想に耽っていたため
なんと言っていいか分からず、あ、いや、とコメントに困ってしまった。
「人目も憚らず白昼堂々とにやついてるから気持ち悪かったぞ。」
「は?」
人目って・・・隣に座ってることも今気づいたのに
何、この人。
あまりの感じ悪さに私も態度を変えてしまった。
大抵の女性社員はグループを作り、食堂や近くにあるレストランと
いった場所でお昼を取るそうなのだが、私はその輪には加わらず
鬱蒼と生い茂る大木の下にあるベンチに腰掛けてお昼を取った。
通勤中、コンビニで買ってきたパンを食べ終わると
野菜ジュースを飲みながら小説を開いた。
恋愛小説に出てくるイケメン上司との恋に憧れながら
私も古橋さんとそんな恋がしてみたいなぁと妄想に耽る。
本を読みながらにやついていると
「そんなに面白いの?その本。」
といきなり右側から声が聞こえた。
「え!?」
思わずびっくりして右側を見る。
甘い妄想から、急に現実に引き戻され、鳥のさえずり、
かすかに遠くから聞こえる話し声が耳に蘇ってきた。
私の右隣にはいつの間にか知らない男性が座っていた。
これまた高そうなスーツを身に纏い、営業から戻ってきたのか
ネクタイを緩めて暑そうにしている。
「よくもまー、すごいなその集中力。
俺がじっと見つめてるのに全然気づかないし。
そんなに面白いのか?」
別に活字を読んでいたのではなく妄想に耽っていたため
なんと言っていいか分からず、あ、いや、とコメントに困ってしまった。
「人目も憚らず白昼堂々とにやついてるから気持ち悪かったぞ。」
「は?」
人目って・・・隣に座ってることも今気づいたのに
何、この人。
あまりの感じ悪さに私も態度を変えてしまった。