秘めた恋
「副社長に何か用事があったのか?」

「わっ!!」

思わずびっくりしてその方を向くといつの間にかオフレコの恋人「杉並 賢斗」が
目の前に立っていた。

「なんで、ここにいるの!?」

思わず質問に質問を返してしまった。

「いや、二人がこっちに向かってるのを見て付いてきた。」

照れたように頭をかきながら言う彼の言葉に対して

「あぁ、古橋君を副社長室に案内したのよ。場所知らないと思って」

と事実を伝えた。

「え!?そうなのか?」

彼が少し驚いた表情を見せると

「つい先日、俺が案内したのに忘れたのかなぁ・・・。」

と独り言のように彼がつぶやいた。

「え!?そうなの?」

私はもう一度振り返り角を見た。


『コンタクト・・・似合ってねーよ』


そう彼がつぶやいた気がしたのを思い出した。

一度もコンタクトをしてるとも、目が悪いとも言ってないのに
なんであんなことをつぶやいたのか・・・。

「美優・・・」

「え?」

自分を呼ぶ声がして思わず振り返った。

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