秘めた恋
「おはよう。」

「うわ!おはよう。」

教室に入ってきた彼がいきなり席に着く前に
私にも挨拶をしてきたので思わず驚いた。

彼は笑顔を向けるとすぐに自席に着き
「どうしたんだよ~霧島に声かけるなんて。」と
同級生から不審がられていた。

「いや、別に?同じクラスメートだろ。」と
彼はなんの動揺もせずに軽く返答した。

あーびっくりした。朝から心臓に悪い。
でも、本当はちょっと嬉しかったかも。

誰にも挨拶なんてされなかったから。
そう思うようにした。

授業中も休み時間も特になんもなかった。
挨拶以来、彼は私に近づこうとしなかった。

私も冷静になってきて、やっぱ彼の狂言だったのねと
思うようになってきた。


だけど、思わぬことが起きた。
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