秘めた恋


古橋君と付き合ってから、昼休みが私の楽しみになった。

彼は、この1ヶ月間は図書委員の当番のため昼休みになると図書室に行き、
本の貸し借りの受付、戻ってきた本を戻す整理を行った。

彼がお弁当を食べている間、私は彼の手伝いをして戻ってきた本を
元の棚に戻した。私の方が図書室にいる時間が長かったため
彼とは違い、本を元に戻す作業が苦にならなかった。

「よし、これで最後!」

しかし最後の一冊は、棚の高さが高いため戻すのに苦労をしていた。

私はあることをひらめくと「最後くらい彼にやってもらおう」と思い、
本を持って彼の場所に向かった。

だけど古橋君は弁当を食べ終わると、両腕を組んで口を半開きになった状態で
寝てしまっていた。

彼の顔は天使のように美しく、また赤ちゃんのように可愛い寝顔だった。

思わず見惚れ、顔を近づけると彼の規則正しい呼吸がかすかに聞こえた。


私はしばらく彼の顔を眺めた後、彼の唇に自分の唇を重ねた。
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