秘めた恋
教室に入った瞬間、周りにどよめきが起きた。

だけど、いつもと違う私に興味を示したようだった。

私の前に座っていた女生徒が振り返ると
「なんか雰囲気変わったね。」と言ってきた。

突然声をかけられて驚いていると、近くにいた男子生徒も
「うん、そっちの方が良いよ。霧島さん、なんか可愛くなった。」
と褒めてきた。

「本当に?」

思わず嬉しくて笑みがこぼれると
他の男子生徒も私を見て「霧島さん、良いよ!」と
笑顔を向けてきた。

こんなことは初めてだったから嬉しかった。

他の女子生徒も関心を持ち始め「霧島さん、メガネ取ると可愛いじゃん!」と
褒めてくれた。

すごくすごく嬉しかった。

早く大樹君の喜ぶ顔が見たかった。

彼が教室に入った瞬間、私は彼の方を見て照れながら「おはよう。」と言った。
彼もすごく驚いている様子だった。

「霧島さん、可愛くなったよなぁ。」と男子生徒が彼に近づき
言って来たので私は思わず頬を紅潮させた。

「ど、どうですか?」と恐る恐る大樹君に聞くと
私が想像したセリフとは違うセリフが返ってきた。

「あぁ、良いんじゃないの。」彼はそっけなく言い放つように言った。

「え?」

彼はすぐ席に戻ると私と目を合わせることなく
携帯を取り出し、操作し始めた。

なんなの、あの態度は・・・・。ねぇ、大樹君どうしちゃったの?

なんで喜んでくれないの?

あなたのためにしたのに・・・・。
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