秘めた恋


水木さんに打ち合わせがあるから呼んで来てと頼まれ、私は休憩室にいる
古橋さんと浅利さんを呼びに行った。

休憩室から出ると浅利さんが古橋さんに飛びつき、
「ねぇ、いつデートしてくれるの?」と言ってきた。

「うるせーな、行かねーよ。」と彼は面倒くさそうに言うと
そそくさと会議室に向った。

取り残された浅利さんは「何よ、あの態度。」とぶつくさ言うと
彼女も会議室に向った。

最近、一層アピールが激しくなった彼女に古橋さんは嫌悪を感じているようだけど
それを見ると私まで心苦しくなった。

私も彼に近づきたいし、彼と食事にも行きたい。だけど、
彼に近づけば近づく程、嫌われそうで怖かった。

***

「はぁ・・・。」

昼休憩になり、いつものようにベンチに座り重いため息をつくと
当たり前のように隣に座るオオハシさんに「どうした?」と嬉しそうに
声をかけられた。

「恋わずらいですよ。」

「恋煩いって、あいつにか?」

「えぇ、そうです。」

「なんかあったのか?」

「実は・・・・」
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