秘めた恋
[回想モード]

昼の休憩時間の終わり間近になったため、エレベーターに乗り事務所に戻ろうとしたら
古橋さんがエレベーターホール近くにある窓ガラスの外を見てたんです。

「古橋さん!」

そう声かけてるのに返事がなくて、
彼に近づき何を見てるのかと思い、窓の外を覗き込んだら
仲良く噴水の前で話してる高梨さんと杉並さんがいたんです。

私はまた彼の方を見ると
古橋さんは怖い顔して二人を睨んでました。

私は怖くなって思わず逃げたのです。

[回想モード終了]

「なんだったんだろうと思います?もしかして古橋さん、高梨さんのこと
嫌いなのかなぁって。」

「なんでそう思うんだ?」

「だって、二人が仲良くしゃべってるところ見たことないですし、
仕事の話してるときも気まずい雰囲気が流れているというか・・・。」

「ふーん・・・。」

「でも、彼があんなに女性を見続けてるのも不思議です。彼女が彼に感心を示さないから
彼のプライドが許さないのか・・・。もうよく分からないです。」

「あ、そう・・・。」

「はぁ・・・。」

すると隣にいたオオハシさんが誰かに電話をかけ始め、何かを頼むと
「さぁ、行くか。」と言って立ち上がった。

「え?どこにですか?」

「ドライブだ。」

「へ?今ですか?」

「あぁ。」

「え、午後の仕事は?」

「そんなのほっとけ。」

「えー!!」

彼は無理やり私の腕を掴み引っ張ると「裏の方に車を止めてるから行くぞ。」と言った。

「はい!?」
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