秘めた恋
オードブルから色々な高級感ある料理が出て、そのたびに「美味しい」と言いながら
頬張ると目の前に座るオオハシさんも「それは良かった。」と嬉しそうに笑った。

機嫌が直って良かった。

私はグラスに入った水を飲むと彼をまじまじ見た。

彼は「ん?」と言ってきたので
「オオハシさんってこんな贅沢してて羨ましいです。」と
言った。

「まぁ、家が家だからな。」と彼は言うと彼も赤ワインに口つけた。

「古橋のことは忘れてただろ?」
と揶揄しながら言ってきたので正直に「はい」と応えると彼は笑った。

「今日は、有難う御座いました。」

「いや、別に。」

オオハシさんは頬杖をすると節目がちに料理を見つめた。

「オオハシさん?」

「・・・・・だったんだ。」

「え?」

「好きだったんだ。美雪さんのこと・・・・。だけど別れた。」

「なんで・・・?」

「あの人は俺を金づるとしか思ってなかった。」

「そんな・・・。」

突然の告白に思わず、フォークを持つ手を止めた。
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