秘めた恋
「た、高梨さん!?どうしたんですか!?」

気づくと私の目からは一筋の涙が流れ、頬をかすめた。

「ごめん、ちょっと思い出したら・・・・。」

「す、すいません!私のせいで辛い過去を・・・」

「ううん、森さんのせいじゃないの。ごめん、ちょっと用事を思い出したから
行くね。」

そう言うと私は用も足さず、トイレを後にした。

ぐっと涙を堪え、右手の甲で涙を拭くと
カツカツとヒールを鳴らしながら私は自分のオフィスに向かった。
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