秘めた恋
数日後、彼には新たに彼女が出来た。

前、掃除の時間に楽しそうに話をしていた女生徒だった。

みんなから羨ましがられる程の公認の美男美女カップルだった。

私は現実から逃れるため、今までの彼との過去を思い出さないように努めた。

あれは、甘くて儚い幸せな夢だった。

そう、夢だった。ただ夢を見ていただけ。眠りから覚めた私は、
彼のことを忘れようと思った。

本当の私は・・・・

本当の私は・・・・

彼にもう一度「美優、好きだよ。」と言ってもらいたかった。
「これは冗談だよ。美優を困らせるためのドッキリ。驚いた?」
ケロッと笑った彼の顔を思い浮かべた。
「美優、可愛くなったね。本当は言いたかったけど恥ずかしいから言えんかったわ。」
照れたように頭をかく彼を思い浮かべた。
「美優、大好きだよ。俺には美優だけだよ。」彼が真剣な顔で言うと
私を抱きしめてキスをするのを思い浮かべた。


『私は、終りたくない。ずっとこのまま大樹君と一緒にいたいよ。』

そんな秘めた思いを胸に・・・
私は変わり始めた。
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