秘めた恋
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重い足取りで私は会社に向かった。

小野 花蓮。確かそんな名前だった。
彼女に友達になろうと言われた日から
彼女から手厚いいじめを受けた。

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「一緒にトイレに行きましょう」

そう言われて個室に入ると数人の女子達によって
扉を抑えられ閉じ込められた。

「え、ちょっ!!」

すると上からバケツ一杯分の水をかけられた。

「きゃーーーーー!!」

私の驚く反応にその場にいた女子達が小野花蓮を筆頭に
高らかに笑いだした。

その場にしゃがみこむとまた水をかけられ
反応するのにも疲れ、黙り込むと扉が開けられた。

咳き込む私を見下しながら言った彼女の言葉が
今でも忘れられない。

「あんたみたいな虫けら、私の友達な訳がないでしょ」

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それが彼女の本心だった。
そうやって自分と私の差を思い知らせたところで
一体彼女は何がしたかったの?
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