秘めた恋
「そうだったんですか・・・。じゃぁ、彼に何か褒美が出るんですか?」

「褒美って・・・笑。特許は会社のものとなった。
彼が、というより彼の父の杉並草介執行役員がそれを希望した。」

「執行役員?」

「要は会社の業務執行を行う重要な使用人のことだ。」

「はぁ。」

私は、紅茶を啜り考え込んだ。

*********
「森さん、杉並リーダーがどこにいるか知らない?」

「え!?」

スケッチブックを抱えた高梨さんが何かを急ぐように
気迫がこもった感じで私に話しかけてきた。

「あ、多分喫煙所にいるかと・・・・」

「ありがとう。」

**********

あの時の高梨さんは焦った感じで杉並さんを探してて・・・
彼を追って高梨さんが喫煙所に向かい・・・
その後、杉並さんは彼女の持ってたスケッチを持ってぶつくさ言いながら部屋を出て行った・・・。

「やっぱ、なんかおかしいですよ!」

「何が?」

オオハシさんはコーヒーを啜りながら上目遣いで私の方を見た。


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