君は囁く~涙とともに~
結局、豊田先生の話は二十分続き、最後の方では真面目に聞いてる人なんか二人程度しかいなくなっていた。
まぁ、最初から聞いてない人達の方が多かったけど。
朝のホームルームは、豊田先生の話で終了。
退屈以外の何者でもなかった。
時々唯の方を見ると、窓の外をじっと眺めていた。
唯の席は窓側の一番後ろ。
席は出席番号順で、唯は『吾妻』だから女子の中では一番。
そして、この教室の席は男子の一番が廊下側の一番前。
それから順番に並んでいる。
女子は逆に、窓側の一番後ろの席からスタート。
要するに、男子の一番と女子の最後、男子の最後と女子の一番が隣同士ってことで並んでいる。
俺は『谷口』だから丁度真ん中くらい。
席は教室ど真ん中の一つ前の席。
外は見えないし無駄に目立つし…
早くも席替えしたい気分。