君は囁く~涙とともに~
「えっじゃあ唯って、谷口君のこと好きなの!?」
そんな言葉が聞こえ、思わずピクッと反応する。
今、何て?
唯、あの子に言ったのか?
ちょっと待って、俺は唯をフったはずなんだけど…。
そんな簡単に言えるものなのか?
「うん!そうだよ!
って言っても、昨日フラれちゃったんだけどね?
諦めないって言ったし!」
おいおい、そんなことそんな大声で言うなよ!
こいつらだって居るのに…!
「……今の聞いた?」
龍が口を開く。
…やっぱり!
聞かれてるとは思ったけど本当に聞いてるなんて…。
「今のって、吾妻のだよな?」
続けて双真が言った。
しかも興味深々って感じで目を輝かせながら。
「昨日告ったって…マジ?」
武斗が俺をじっと見ながらそう言う。
絶対こうなると思ったんだ…。
唯達、もうちょっと声小さくする努力したらどうだよ。
俺がそんなことを思っている間に、いつの間にか四人全員俺の方を見ていた。
これって、言わないといけないやつだよな…。