君は囁く~涙とともに~

「う…うん」

かなり小さい声だったはず。
でも奴らはしっかりとそれを聞き取っていた。
そしてにやっとしたかと思うとみんなで目を合わせる。

「マジかよ!お前!
何で言ってくれなかったんだよ!」

笑いながらそう言う龍。
「そうだよ!」とか言いながら相槌をうつ双真と武斗。

「わ、悪い」

わざわざ言わなくていいだろ…それに俺は誰にもバレたくなかった訳だし。
心の中でそう思いつつも、とりあえず謝っておいた。

「何でフっちゃった訳?
吾妻と光輝って幼馴染みなんだろ?
それに、吾妻可愛いじゃん」

大翔が不思議そうな顔をして俺に聞く。

「幼馴染みとか顔とか、そういうのは関係ないし…
大翔だって幼稚園から一緒だろ?」

「…俺は吾妻のこと、好きだったぞ」

「………え?」

大翔の言葉に全員思わず黙った。
一瞬間の沈黙。
でも多分一番驚いたのは俺。
ずっと一緒にいたのに知らなかったし、しかも今、唯が俺のこと好きだって話してたし…。
気まずかった。
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