君は囁く~涙とともに~
仕方なく自分の席で食べるけど、
正直この周りの奴らとはそこまで仲がいいとは言えない。
全く喋らない訳でもないけど…
基本、大翔達と喋ってるから他の奴と喋る機会がないんだよな。
ということで、黙ってひたすら食す。
この時間は本当につまらない。
早く食って、早く喋りたい。
それしか考えられないくらい。
「えっ、唯もう食べたの?」
俺の隣の席の奴がそう声を上げる。
思わず顔を上げると、そこには笑顔の唯の姿。
「うん!
最近あんまり食欲なくて…食べれないんだよね!」
「えー、
食べないと唯、死んじゃうよ?」
「大丈夫だよー
あ、てか光ちゃん、さっき怒られてたでしょ?
馬鹿だなぁ」
…馬鹿?
ちょっとそれは聞き捨てならないぞ。
「俺は馬鹿じゃない」
「馬鹿だよ、怒られるようなことするからでしょ?」
「俺からしたらちゃんと飯食わねぇ唯の方が馬鹿だ!」
これが精一杯のいちゃもん。
飯食わねぇ=馬鹿
っていうのは正直自分でもよく分からないが…
どう反論されるか。