君は囁く~涙とともに~

「で、話って何?」

俺は少しいらついたような口調でそう言った。
いや、いらついていたんじゃない。
焦っていた。

もし、これが本当に告白だとしたら…困る。
俺にだって、好きな子がいない訳ではない。
好きというより、気になるくらいが正しいんだろうけど…。

それに、俺は告白なんてされたことがない。
だから何て言えばいいのか分からないし、
しかも初めて告白してきてくれた子をフるというのはキツい。
可哀想だ。

まぁ、告白されたくない訳ではないんだけど…。
なんとも言い難いこの感情。

…でも、よく考えてみろ。
まだ告白されると決まった訳じゃない。
今焦る必要はない。
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