過去の私と未来の彼女

真剣な私の顔。
血の気のないモノクロの顔。
彼女の放つ異彩な雰囲気につい私は頷いてしまった。
『…最初は足が動かなくなったでしょ？その直前、貴女は…竹本奈々は何を考えてた？』
「……その直前…？あ」
足が硬直する前。
私は確か昨日の数学の授業で指名された時のことを考えていた。
脈絡のない当て方をする先生で、全く答えを考えていなかった私はクラスメイトの前で大恥をかいたのだった。
そして思った。