一秒の確信
ジントニ、ジーマetc...
沢山のアルコールをどこかの席で呑んでからやっと戻ってきた。
酔った塚本が少しヨロけてあたしのトコに来た。

塚本「ちょ・・・これ、全部お前が空けた…ね?」

あたしは下を向き堂々と答える。

結「そう。…さっき塚本の視線感じたケド。気のせい?」

塚本は気まずそうな顔でドモる。

塚本「…あたし…俺の視線感じたなんて、気のせいだよ。」

隣に座って煙草を吸おうとした。
さっき塚本が置いていった自分の煙草が無い事に驚く。

塚本「ちょっと、あたしのクール知らない?」

あたしは自らの煙草ケースから取り出して笑った。

結「コレでしょ?」

塚本「お前何勝手に交換してんだよ?」

結「ね、塚本。一本吸っていいでしょ、お願い。」

あたしは上目遣いでねだる。

塚本「…別にいいけど。お前のはセッタだよね?メンソじゃない。」

何だかんだ文句をタレながら塚本は煙草に火を付け、あたしが貰ったクールにも点火してくれた。

結「うわぁ~スースーする。」

塚本の匂いが口に広がった。
塚本に触れられた時と同じ匂い。

塚本「…セッタか。…結、ちゃんと吸えてないだろ。」

結「何で?何で…?」

塚本「煙草はねぇ、肺に入れた時から吐いた色で解るんだよっ。吸えないもの吸うなよ。」

結「あたし…こっちのがいい!スースーする、美味しい!」

呆れた顔で塚本は、あたしの笑った顔に接吻をした。
息の根が止まるかと思った。
ヤニクラなのかグラついた。
それを見計らって、塚本はあたしをトイレに連れて行く。
フロアを出て、廊下にあるサビレたトイレ。

何気に背中に手を回す仕草も鼓動が狂う。
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