一秒の確信
何かを納得したかの様に、あたしを無視して塚本の力が強くなっていった。
あたしは少し怖かった。

唯「や…なんか怖いよ塚本ぉ待って…!!」

塚本は驚いて離れた。
そしてあたしの髪をグシャグシャにして、フッと笑った。

塚本「なぁんだ。あたしの事、興味ないんだね。」

そんな棄て台詞を置いて去った。
あたしは廊下で泣いていた。
『あの人』は、沢山の人から愛されているんだ。
なのに振り払ったあたしは急に怖くなった。
女の子のファン迄居るような人。

いつも何かを貰ってる。
いつもそれを身につけている。
あたしはそれを嫌った。
その手で触れられるのは勘弁だった。

あたしは
なんて人をはねのけたんだろう。
塚本に触れられたい人なんて山ほどいる。

塚本はあたしが好きなんじゃない。
きっと塚本は、あたしが無知で可愛いから好き。

塚本の頬はたまに傷がついていた。
家に帰る時間も、焦ってた。
だからきっと短い時間だけでも、居心地の好い場所に居たかった。

この空間…?
この…空間?
< 16 / 20 >

この作品をシェア

pagetop