放課後は秘密の場所で。
「真琴君、飴ひとついる?」





私の飴をずっと見ているので、欲しいのかな?



私は手にある飴を差し出す。





「真琴って呼んで。」




「えっ?」




真琴君は差し出した飴を取ることなく、ただ一言そういって、私の瞳を見据えている。



私は顔をそらす。





「えっと、飴・・・「逸らすなよ。」




顎を掴まれ、グイっと真琴君の方を再び向かされる。



掴まれた部分に熱がこもる。



じわじわと、熱くなる・・・そして徐々に顔まで熱くなっていく。





「ほら、真琴って呼んでよ。」




目を一切そらさない、ぶれる事ない真っ直ぐな瞳に翻弄する。
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