Classbook
麻未ちゃんは初めての科捜研にキョロキョロ周りを見渡しいる。
私は1日目が濃すぎたせいで、なんだか、ずいぶん前からここにいるような気がして…。
「芙美ちゃんは、化学だよね?」
「うん。それしかできないから。麻未ちゃんもでしょ?」
「まーね。ってことは、研究室は一緒か」
「そうだねー」
科捜研の研究室はそれぞれの分野ごとに分かれている。
私と浅見さんは化学。
それに麻未ちゃんが加わるっていうことは…
振り当てられる仕事が減る。
…そんなにうれしいことはないじゃないか!!
「芙美ちゃん、どうしたの?」
「い、いや?何でもないよ?」
「あ、そう?ならいいけど」
休憩時間はすぐに過ぎてってしまう。
麻未ちゃんと一緒に研究室に戻れば、浅見さんはまた、鑑定をしていた。
「あー、やっと戻ってきた」
「…すいません」
「いいのよー。所長が悪いんだから。あ、麻未ちゃんだっけ?」
「はい。よろしくお願いします。」
「そんなに硬くならなくていいのよー。あー、これから、私に回ってくる仕事が減るわー」
そういって、浅見さんは、ものすごく喜んでる。
…私も内心とてつもなくうれしいです。
だって、昨日一日だけだったけど!めっちゃしんどかったんだもん!!
浅見さんなんて、それを何年も続けているわけだからすごいもんだ。
こうして、私の社会人生活は始まったのです。
なんとも、たのしいやら、しんどいやらといった感じで。