Classbook
あ、誘拐とか?
なわけねーよな。
運転に集中している袴田君の横顔を見る
黙ってればカッコいいんだけど
きりっとしてる目とか小さい顔とか
…まーうらやましいわな。
私も顔が小さくなりたいなー
「なに、南」
「…なんでもないですー」
いつの間にか信号が赤になっていて、袴田君をガン見していたのにの気づかれて
しまった。
…きまづー
なに、私、袴田君のことずっと見てたとか。
怖いわ。無意識だったのがさらに。
「何、南俺の顔に何かついてるのか?」
「いや。で、今どこに向かってるんですか」
「あー、南の家?」
「なわけないですよね」
「あー、家」
「誰のですか」
「俺の」
「…」
なぜに、袴田君の家に向かっているのか。
私の意志というものは袴田君には一切通らないのかー
…こんなにもひどい人間だったのかよ。