Classbook



「南―、書いて!!」

「うん、いいよ」


クラスにいる私をいれ10人の女の子たち。

みんなにそれぞれメッセージをかいた

でも…そんなに書くことはない

一人ひとり、2年間一緒にすごした日々を思い出すが…あまり思い出がないのも事実。

…私の高校生活なんて、そんなものだ。


「芙美ちゃん」

「麻未ちゃんー。アルバム貸してー。まだ書く!」


私が高校で一番仲良かったのは麻未ちゃん。

3年間クラスが一緒だった。

麻未ちゃんとの思い出はそれなりにある。

いつも一緒にいたから。

卒業式なんて、ありきたりなもの。

ただ単に入場して、立って、お辞儀して、座って…

その繰り返し。

最後にはみんなで校歌を歌う。

今年の卒業生はなんだかまじめで、歌をしっかり歌った。

卒業式というものは淡々と…

実際のところ、卒業式をやったところで、卒業した気になんてならない。

卒業式、最後のHRが終わった。


「南、これ書いて」


席が前後だった。

HRが終わってから渡された袴田君の卒業アルバムのフリーページにはすでにたくさんの人か
らのメッセージが書かれている。


「私のにも書いて」


そういって、私も袴田君に卒業アルバムを渡した。

…さて、何を書こうか。

みんなが書いたものに目を向けると、ふざけた感じの。




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