Classbook



…私にはそんなことできないから


『2年間ありがとう。私は決して紳士だと思いません。大学行っても頑張って』


そう書いた。

…袴田君は日ごろ俺は紳士だと言い張っていた。

だから、そこを否定しておいた。


「南。はい」

「ありがと」


それぞれ、卒業アルバムを返した。


「じあ、南。ばいばい」

「ばいばい。」

「さみしい?」

「は?」

「素直になりな!」


「…」



そんな会話をして、お別れをした。

……なんていう会話だって思いながら。

袴田君が書いてくれた卒業アルバムのはまだ見ていない。

後で見る。




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