続:first love~世界で一番素敵な初恋~
「勿論、誇りに思っているわ。」
自分の仕事を誇りに思うお母さんの顔は初めて見る顔で、とても格好良い。
「最初はね、お父さんが会社を設立するのが夢だって言うから彼の仕事を支えられる弁護士になりたいっていうのと、私の父親も弁護士だったから何となく目指してたの。」
今までお母さんの仕事について話したことがなかった私はお母さんから弁護士になりたいと思った理由を初めて聞いた。
「その時は大好きな人を支えられるだけで幸せだったわ。
でもね、私は弁護士になりたくてなったわけじゃないからお父さんの会社が倒産してすぐに辞めたわ。」
そうだったんだ。
「じゃあ、何で今は弁護士してるの?」
「それはね、お父さんが亡くなった後に本気で弁護士になりたいと思ったからよ。」
お父さんが亡くなった後??
「実は今まで唯那には黙ってたけど、私が刑事事件専門の弁護士になるきっかけとなったのは、お父さんを殺した犯人を裁く裁判なの。」