続:first love~世界で一番素敵な初恋~


「………なら、話すわ。」


そう言って、お母さんは重い口を開いた。


「私はね、お父さんを殺した犯人の裁判で原告として、弁護士として法廷に立ったの。」


それが、母の弁護士として初めての刑事事件での裁判。


「あの時はお父さんを殺し、唯那の記憶を奪った犯人が許せなかった。
けど、私には刑事事件に対しての知識がなかった。
だからより重い刑に処する為に寝ないで猛勉強したわ。必死だった。」


結果、被告人には母が求刑した一番重い刑に処され、執行猶予も与えられなかったらしい。


それからは自分と同じような被害者を守る為に、法律事務所で働くようになり、今は刑事事件担当の弁護士として活躍している。




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